輪廻転焼

20XX年。
人類は、突如現れたゾンビによって瞬く間に絶滅した。

人類滅亡から100年。「眠らない街」東京は、
未だ悍ましい呻き声で満ちている。

輪廻の輪から外れた哀れな死に損ないが、
望まぬ不死の代償として、永劫の苦しみを味わっているのだ。

もはや、同族の血肉がその渇きを潤すこともない。

しかし、生き地獄に喘ぐ死者たちの念は、
終に一匹の妖として結実した。

その妖の名は「火車」
死者を地獄に突き落とす悪鬼である。