無限遠の君へ(前編)

投稿日時

2021/04/30 13:45

最終更新

2021/05/02 18:26

想定プレイ時間

3分程度

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このゲームはPC以外では動かない可能性が高いです
それでも開いてみる

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ゲーム情報

操作方法

 はじめに

 これはゲームではありません。小説です。
 紹介文の欄につらつらと書き連ねておきます。
 ゲームなら他にたくさん投稿されているから、たまには小説を読んで、まったりするのも良いでしょう。
 ゲームジャムなんだからゲームを投稿しろって? まあいいではありませんか。

紹介文

「おい見ろよ、今月の『巨大素数ピーポー』! 新しい巨大素数が載ってるぞ!」
「すげえ! でけえ!」

 ……なんて馬鹿騒ぎしてるのは、高々1000以下の合成数たちだ。

 僕はエフ。関数f(x)=Σ[k=0..x]1/2^kだ。
 それと僕の束縛変数、エックス。しっかり者で、気が合ったから束縛した。

 最近流行りの雑誌『巨大素数ピーポー』。巨大素数業界は、計算機の発達もあり、凄まじいインフレを見せている。

 そんなに大きい素数が人気なら、小さい素数はどうなのだろう?
 無数にある素数の中でも、一番小さい素数――2だ。
 僕は2について調べる。名前はイーブン・プライム。素数の中で唯一の偶数……えっ?

 素数が無限に存在することは数学的に証明されている。
 そして、イーブン以外の素数はみんな奇数だ。
 つまりイーブンは仲間はずれなのか? もしかしたら、無限に存在する仲間に蔑まれているんじゃないか?
 僕の心に、なにか引っかかるものがあった。

 無限遠の君へ -For You at Infinity-

 もしイーブンが、無限に存在する素数に蔑まれているのなら、僕は会ってやりたい。僕は衝動に駆られた。

 世の中には、定数、変数、関数の3種類の人間がいて、それぞれ自分の値に応じた場所に位置する。
 つまり定数は動けず、変数は自由に動け、関数は値域を動ける。
 2は定数だから、イーブンは自ら出会いを求めることはできない。

 僕は関数f(x)=Σ[k=0..x]1/2^kだ。グラフで考えれば、イーブンは無限遠にいるようなものだ。
 エックスが正の無限大に発散すれば、僕は2に収束できる。そうすれば僕はイーブンに会える。
 強い衝動に駆られた僕は、エックスに頼んでみることにした。

「なあエックス。僕、2に収束したいんだ」
「なんだいきなり、2に収束したいって」
「ほら、2って唯一の偶素数だろ? それから、素数は無限に存在するだろ? だから2は、イーブンは、無限に存在する仲間に蔑まれているんじゃないかって」
「何だお前、変なこと考えるな」
「変なもんか。だからエックス、頼む。僕のために、正の無限大に発散してくれ」
「はあ?」
「だから、君が正の無限大に発散すれば、僕は2に収束するだろ?」
「ふざけるな。正の無限大に発散したら、俺は世界から消えてしまうだろ。自分の都合ばかり考えるな」
「でも、だけど……、それじゃあイーブンが――」
「でもじゃない。なんでお前が会いに行く必要があるんだよ。イーブンが苦しんでるってのは、ただのお前の憶測じゃないのか? 他の人が会いに行くんじゃ駄目なのか?」
「そう、じゃあいいよ。君じゃない変数を束縛するから」
「勝手にしろ」

 あれから数日経った。
 僕はイプシロンを束縛した。今日から僕はf(ε)=Σ[k=0..ε]1/2^kだ。
 気が急いた僕は、早速イプシロンに頼んだ。

「イプシロン。正の無限大に発散してくれ」
「エフ、無限大なんてたどり着けないんだよ」
「じゃあ、計算機を使うのはどうだろう? メモリに1を書き込み続ければ――」
「同じだよ、エフ。メモリは有限だし、無限に時間がかかる」
「じゃあ、無限に時間が過ぎればいいんだよね。君が単調増加して、僕がブラックホールの中心に落ちれば、相対性理論によって、僕から見て君は正の無限大に発散することになる」
「ブラックホールに落ちたら、それこそ会えなくなるのでは?」

 う……うう……

「な、エフ。無限なんて不可能なんだよ。ただの数学の概念なんだよ」
「……こんなことしてる間にも、イーブンは無限に苦しんでいる」
「無限に苦しんでいるのはお前も一緒だろ」
「それじゃ何も解決しないんだよ! 会えない! イーブンに会えないんだよ!」
「おい、落ち着けって」
「うわああああああああ!!!」
「ああ、行ってしまったな、僕を手放して。あれがいわゆる恋煩いってやつなのか?」

後編
https://unityroom.com/games/for-you-at-infinity-second-half

Unity 1週間ゲームジャム
1週間ゲームジャム

お題「2」投稿作品です。

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